と後悔は無縁にし

2014年08月28日

と後悔は無縁にし
では、店内に入ってまずなすべきこととは? 周囲をそれとなく見回すことなのだ。空いているテーブルと、いまだ席についていない人々──オーダーしたものを待っている人々──の数を数え、座る余裕があることを確かめるのだ。しかるのちに、オーダリングカウンターへと向かうのがよい。ここはカフェなのだ。急いてはいけない。気分を和らげたい場所ではないか。

それゆえ、混んでいる、もしくは客層が好ましくない、あるいは音楽がいつになくうるさい──などの場合は、他のカフェまで歩いて行ったって「まぁいいじゃないか、ふふん」と思えるくらいの心の余裕がほしい。一番好みのあの席に先客がいたとて、「なるほど、あやつもわかってるじゃないか、ふふん」程度にしか気を乱さない。それが常連客としての好ましい脂質だ、ふふん。

オーダリングカウンターでは、その日の好みのコーヒーをおもむろに赤毛ポニーテール娘に告げる。このとき笑顔を忘れない。この国では笑顔こそマナだー──というのではない。自分自身に向けたものなのだ。ゆとりとくつろぎの時間への導入路である自遊行

なにを飲むかは、あまり考え込まないようにしたい。僕の場合だが、たいていは大ぶりなガラスコップ──ラテグラスにたっぷりと注がれる〝レギュラーコーヒーのラージ〟、ちょっと無邪気な気分のときには、ミルクフォームを浮かべた〝カフェラテ〟、渋めの気分なら〝エスプレッソのダブル〟──選択肢はそのくらいがいい。悩みと後悔は無縁にしたい。

そうそう、腹の空き具合によっては、キャッシャー脇に並べられている〝レーズン入りオートミールクッキー〟や〝ナッツ入りパウンドケーキ〟、もしくはコーヒーに浸しながらかじる〝カチコチビスコッティ〟、チョコのかかった〝ショートブレッド〟、また不意に自虐的な気分なら、豊かさを砂糖の量で具現化した黄金時代(ゴールデンエイジ)の遺物〝ブラウニー〟──そんなものをヒョイとつまみ上げ、おもむろに相当する代金と、あくまでも少なめのチップ──半セルフサービスだからね──を置く葡萄牙投資移民




同じカテゴリー(生活)の記事
すように思いました
すように思いました(2016-12-19 12:21)

ようなものになった
ようなものになった(2016-07-21 17:01)


Posted by faizao at 11:45│Comments(0)生活
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。